クラシカルあるいはユニシストと呼ばれる人たちは、1度に1種類のレメディしか使いません。
もっと厳密に言いますと、ある人に最適な、つまりピッタリの物語・エネルギーを持つ、ただ1つのレメディ(シミリマム)を探そうとします。
クラシカルの人たちは、レメディの元になる物質1つ1つが、それぞれ「1つの全体」を成すものであり、そのエネルギーの特徴・全体像(物語・体験)に合う人が癒される、という発想に基づいています。
2つ以上のレメディを併用すると、お互いに干渉しあって治癒が起きないか、または難しくなると考えます。
ハーネマン以来の伝統的な概念であることから、クラシカルと呼ばれます。
ユニシストとは文字通り、1種類しか使わないということですね。
クラシカルに対して、2種類以上のレメディを同時使用する、あるいは混合レメディと呼ばれる複数の物質を混合して作ったレメディを使用する人たちは、プラクティカルあるいはコンプレクシストと呼ばれます。
また、こういった混合レメディの使い方を狭義に「ポリファーマシー(Polypharmacy)」と呼びます。
プラクティカルの人たちは、現代の人はハーネマンの時代の人に比べて、取り巻く環境(自然環境のみならず、人間関係、社会等)が大きく違い、あらゆる面で複雑化していることから、1つのレメディでは対応出来ないと考えています。
私はクラシカルですので、プラクティカルの方法論は詳しく分かりませんが、彼らはクラシカルと同様にシミリマムを探すと同時に、ヒトの状態や体質を階層的に分類して、その階層ごとにレメディを使う傾向にあるようです。
実は、この方法はクラシカル・ホメオパスによって開発されたもので、クラシカルでもこういう方法論の人は多いのです。
両者が決定的に異なるのは、やはりレメディの使い方です。
プラクティカルでは、複数のレメディを使って、各階層同時に対処しようとしたり、あるいは1つの階層に対して複数のレメディを使ったりすることを躊躇しないようです。
シミリマムと、これらの階層に対するレメディを同時に使ったりもするようですし、組み合わせ方に色々と工夫を重ねているようです。
それゆえ、プラクティカルの手法は、洗練されてシステマチックに見えるでしょう。
クラシカルでは、この方法による場合でも、一度に1つのレメディしか使いませんし、常にクライアントの全体性とレメディの全体性との整合性を意識する傾向にありますので、プラクティカルと比べると、幾分じれったい方法に見えるかもしれません。
但し、いずれにしろ、この方法だけで全てのケースには対応出来ません。
一人の人間という存在の中で、様々な要素が複雑に絡み合っている訳ですから、明確に階層化することは難しいことですし、幾つか階層に分けることが出来ても、各階層同士が相互に影響し合っているハズです。
そういった関係性を全て解明するのが、どれほど大変かは容易に想像出来ます。
しかし、この方法がクライアントのケースに合っていた場合、クライアントはとてもスムーズな癒しが実感出来るのではないかと思います。
個人的な懸念としては、プラクティカルには常に、対症療法的な発想に陥る危険があると考えています。
もちろん対症療法が必要な局面も少なくないですが、それならば現代医学の方が確実です。
コンビネーション(複数レメディ同時投与)というのは、魔境への扉の前に立っているようなものです。
一部の人たちは、複数の症状に対して単にそれぞれレメディを選んだり、1つの疾患(病名)に対応する複数のレメディを同時使用するという手法を採っていると聞きます。
そのうちのどれかが効いたり、複合効果で効いたりすることを狙っているようです。
困ったことに、レメディは結果的に対症療法的(抑圧的)に作用する場合もあります。
得てして局所的な症状だけに対応しようとした時に、こうした事が起こる可能性があり、レメディが物質的に作用していないため、その測定や見極めはとても難しいのです。
無意識だとしても、そういった安易な発想が現実にならないように、常にホリスティックな観点に戻るという厳しい態度が要求されるでしょう。
当然、このことはもちろんクラシカルの人でも誰でも心しなければなりませんが、レメディを常に複数同時使用することを前提にしてしまうと、対症療法的発想の罠に嵌ってしまいがちだと感じます。
もし単に現代医学の薬の代わりにレメディを使っているだけの様なものであれば、ホメオパスやホリスティック療法家ではなく医師に任せるべきでしょう。
しかし実際、プラクティカルが魅力的な方法論であることは事実ですし、
誠実で真摯に、そして慎重に「ホメオパシーに取り組んでいる」人たちを、私は何人か直接存じ上げています。
この懸念はまた、ホメオパスに限らず、統合医療の名の下に、ホメオパシーを取り入れている医師にも向けられます。
レメディを使えばホメオパシーだとは限らないのです。
ここでホメオパシーの学派という側面に触れたのは、利用する立場からは、クラシカルかプラクティカルかというのも、ホメオパスを選択する上で重要な要素になってくると思われるからです。
クラシカルとプラクティカルでは、コンサルテーションの方法やレメディの選択など、様々な面において、同じホメオパシーでも随分違います。
それぞれのホメオパスのバックグラウンドによっても、微妙に方法が異なるでしょう。
そうした前提を踏まえた上で、クラシカルがご自身に合っていると思えばクラシカルを、
プラクティカルが合っていると思えば、プラクティカルを選択すれば良いですし、やっぱり医師でなくちゃという人は、ドクター・ホメオパスを選択すれば良いでしょう。
いずれにしろ、
「レメディを使うからホリスティックで、ホメオパシーだとは限らない」
ということに注意すべきでしょう。
それともう1つ、
「医師だから良いホメオパスとは限らず、医師でないからホリスティックだとは限らない」
ということも記憶に留めておいた方が良いでしょう。
方法論としては、どちらが良いとか悪いとかというものではありません。
それに、「別にホリスティックでなくてもいいから、現代医学の薬以外のもので治療を受けたい」という人もいるかもしれません。
自分の健康のために、どういう方法を選ぶかは、個人の選好の問題だと考えます。
但し、もし本当にホリスティックで自然な療法をご希望であるならば、選択したものが何であれ、ホリスティックや自然療法の名を借りた別種の薬物依存(薬でないとしても)・療法依存の状態を引き起こすことになっていないか氣をつけてください。
もちろんある程度の期間、療法による何がしかの施術や摂取は必要ですが、どういうゴールを設定しているものか確認してください。
そういった選択をサポートするために、私の立場からではありますが、出来るだけ偏りのない情報を今後もご提供しますが、他ならぬご自身のことですから、幅広く情報収集して、ご自身の生き方に合った選択をしてください。

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