漢方薬に対する認識と同じように、「レメディはすぐに働かないのでは?」という質問をよく受けます。
レメディはすぐに作用するのです。(漢方薬も即効性があるそうです)
但し、即効性があるとは、あくまでも自然治癒力の働きを促すという意味において即効性があるということであり、その結果自然治癒力によって回復するプロセスには個人差がありますし、心身の状態によっては、かなりの時間が掛かることになります。
(この部分も、漢方と同様でしょう)
また、ホメオパシーの基礎1(ハーネマンがキナの皮を摂ったエピソードやプルーヴィング)で述べたように、レメディはすぐに作用しますが、その期間は一時的です。
ヴァイタルフォースのバランスを調整し、自然治癒力を賦活する所まで(自然治癒力のスイッチを入れるまで)がレメディの働きであり、実際の癒しは、自然治癒力によって成されます。
レメディが長期に渡る癒しを実現するというのは、
いつまでもレメディの力で健康維持をしているのではなくて、自分で自分を癒す力を維持するキッカケをレメディがもたらすということなのです。
ホメオパシーでは、常に「癒しの妨げとなるもの」ということも考えます。
生活習慣、人間関係、仕事、住環境等様々な要因があります。
クライアントの心身に多大な影響を及ぼす要因が取り除けない時、
それらは自然治癒の妨げとなり、シミリマムをもってサポートしても思うような経過が見られないことがあります。
一方で、レメディのサポートにより、心身ともにポジティブな状態が続き、そういった妨げを解消出来るようになるということも、もちろんあります。
人間(自然)ですから、杓子定規には行きませんが、
自然治癒力に悪影響を及ぼす要因を、可能な限り排除することで、ホメオパシーによる癒しがより効果的になります。
潜在意識の向かう方向と疾病利得
癒しの妨げとなるもので、最も根深く、そして分かりにくいものは、疾病利得に関することです。
疾病利得とは、疾患を得ることで、あるいは病気の状態になることで、何らかのメリットを得ることを指します。
治りたい意志とは裏腹に、潜在意識が病気になりたい、病気になった方が楽、病気にでもならないと生命を維持出来ない・・・という状態です。
こうなると、いわば本能が病気であることを選択しているため、この疾病利得を見極めててその状況を改善しない限り、何をしても癒しが進まない場合があります。
疾病利得が大きなものであるほど、顕在意識(意志)と潜在意識(本能)の向かう方向のズレが大きくなります。
この時、レメディの作用は潜在意識側を尊重するかのように見えます。
あるいは、強烈な生存本能に支えられた潜在意識はレメディの作用を持ってしても、なかなか変えることが難しいものなのかもしれません。
この状態は特に、ホメオパシーで言うMaintaining Cause(病気を生み出す、あるいは治り難くする生活習慣や環境要因のこと)と関係しています。
特に、悪しき生活習慣に起因する病の状態は、治癒の方向性に従わないとも言われています。
インド人ホメオパスJayesh Shahの著書によれば、
彼のような世界的に著名なホメオパスでも、最適なレメディが見つかるまでに数年掛かるようなケースもしばしばあるようです。
クライアントはその間、現代医療にお世話になったりもしますが改善せず、それでもあきらめずにホメオパシーのコンサルティングを続けて、ついにシミリマムが見つかりました。
そのレメディによって、劇的に改善しています。
中には10年以上掛かってようやく見つかり、その間1つとして作用するものが見つからなかった(not one remedy ever touched him)というケースも紹介されています。
彼ほどの名声を得たホメオパスからすれば、こういうケースを多数提示するというのは、勇気の要ることではないかと私は思いますが、ひょっとしたら、インドではごく普通のことなのかもしれません。
(「
Into the Periodic Table
」Schroder Burmeister Verlag, 2005 より)
念のため付け加えておきますと、この著書で紹介されているレメディは、今まであまり使われてこなかった非常に珍しいレメディばかりです。
もしかしたら、あなたに合ったレメディがそういう非常に珍しい、今まで滅多に使われることの無かったレメディである可能性もあるのです。
それでも、レメディが見つかるまで数年待ってくれとは普通言いませんけれど、現実的な目安として「コンサルティングは最低数回必要」と、ホメオパスとしては言わざるを得ないのです。
最初のレメディを1錠飲んで、「うそっ、全部スッキリ!」
・・・という話を聞いたこともあるでしょうが、過度にそういう期待をするのは禁物です。
むしろ、
「たちどころに治癒します」なんて言うホメオパス(に限りませんが)には要注意です。
目指すのは、心身のあらゆるレベルにおける制約からの自由、つまりあなた丸ごとが癒されることなのです!
ホメオパシーでは理想の治癒として、
「Rapid, gentle, and permanent restoration of health
(速やかで、優しく、永続的な健康への回復)」
ということを掲げています。
時間が掛かるとしても、レメディを飲み、エネルギー・バランスを整え、自然治癒力を賦活することによって得られるものは、
「自らの力で健康を維持する状態を手にする」
ということであり、結果的に最短距離(速やか)となるのです。

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