鉱物キングダム
構造(Structure)
以前から、鉱物の人のテーマは、構造(Structure)であるとされて来ました。
これは今も変わらず、鉱物の中心テーマです。しかし、結構誤解を多く生みました。
几帳面、数字でものを語りたがる(“湿疹は前月より35%改善した”)、論理的に話す、身だしなみがシンプル、直線的なデザインを好む、ディテールにこだわる・・・など。
鉱物の人は確かにこれらの要素を持っていることが多いです。
しかし、中心的なテーマとして構造ということを考えた時、これらは表面的な特質であり、もっと深い根本的な感覚から派生していることが分かりました。
その感覚とは、不完全さ・不完全な感覚(Feeling of incompleteness)です。
鉱物の人の課題は、構造が完全か不完全か?(Complete or Incomplete?)ということなのです。
構造が、欠けている(Lack)、形成する(Forming)、維持する(Maintaining)、失う(Losing)という感覚です。
では、構造というのは一体何のことでしょうか?
鉱物の人にとっての構造とは、
- Existence(存在)
- Identity(アイデンティティ)
- Position(場所・地位)
- Relationships(関係)
- Security(安全)
- Performance(能力・業績)
- Responsibility(責任)
などに関するものです。
鉱物の人にとっては、これらのテーマに関して、「私は完全か?不完全か?」、「アイデンティティが欠けている」、「安全を失いつつある」といったことが問題なのです。
植物や動物の人たちと大きく異なるのは、鉱物の人にとって、問題は自分の中にあるということです。
「何かが影響する」、「誰かが影響する」ではなくて、「私が問題」、「私が~出来ない」、「私の~がうまく機能しない」・・・こういうことが課題になります。
鉱物は、元素に代表されるように、最もベーシックなキンダムです。
そして(色々な考え方はあるにせよ)鉱物は“生きていない”存在です。(エネルギーが無いという意味ではなくて)
それゆえ、地球上で最も進化した存在として(これも様々な論がありますが)、我々人間はより近い動物と関係し易く、次に植物。鉱物は一番遠い存在になります。
我々の身体は元素で出来ていますから、物理的な距離の問題ではありません。
しかし、センセーションという人間の体験を通じて得られる独特の表現を見つけるのは、他のキングダムより難しいのです。
存在の仕方と時間軸(いわゆる寿命)が相当違うということが、人間の体験の中にSource words(センセーションの中でも、レメディそのものを示す表現)を見つけることを難しくさせているのだと、Sankaranは述べています(「Sensation Refined」)。
これは鉱物レメディの人が、その人の人間としての体験を、(存在の在り様としてかけ離れているため)鉱物的な表現で語ることが難しいということです。
従って、鉱物の人のヴァイタル・センセーションは、他のキングダムほど明瞭ではありません。
ケースではある意味、最も人間っぽい表現で語られるということにもなります。
前述のように、鉱物キングダムを理解する最も重要なコンセプトは、周期表(Periodic table)であり、それを元に考案されたJan Scholtenの理論です。
近年、Sankaranらのボンベイ・グループも、Scholtenの理論をベースに周期表に関する理解を進めてきました。
必読書は、以下の2冊:
Rajan Sanakaranの「Structure」
Jan Scholtenの「Homeopathy and the Elements(日本語版:ホメオパシーとエレメント)」
元素周期表(Periodic Table)
鉱物キングダムと周期表は、切っても切れない関係です。
Sankaranの周期表に関する洞察は、Scholtenの理論をベースにしていますので、基本線では同じですが、やや異なる部分・・・というより、テイストが少し違います。
ここでは、Sankaranの解釈による方を少しご紹介します。
周期表は、縦に7行(Row)、横に18列(Column)あります。
ちなみにScholtenは、Rowのことを「シリーズ」、Columnのことを「ステージ」と呼んでいます。

(MacRepertory画面より)
各行を1つのグループとして、同じ特徴を持つファミリーのような分類とします。
1行につき18個の枠(コラムColumn)があり、7つのグループ(Row)があるわけです。(Scholtenでは、7つのシリーズ)
各列(Column)は、すべての行(Row)にまたがって共通する特徴を持ちます。
つまり、第4行の2列目と、第5行の2列目は、共通する特徴(2列目の特徴)を共有することになります。
ここの考え方がSankaranとScholtenで少し異なります。
Scholtenの理論では、全ての行において、各列の特徴は同じです。
しかし、Sankaranの考えでは、1、2、3行(と7行目)における各列(Column)は、4~6行目とは若干異なるとされています。
(※上図の左端はa、b・・・となっています。a=1、b=2・・・と読み替えて下さい)
これは、周期表を見れば想像がつくと思いますが、1、2、3行目は、18のColumn全ては埋まっておらず、所々空いています。(上図のa、b、cの列です)
まず、各列(Column)について概略を述べます。
1から18まである列は、各行における発達・進化・獲得、そして消失・解散を表します。
1列から9列まで徐々に発達、10列で達成(頂上)、11列から18列に渡って徐々に消失します。
各論の詳細はここでは述べませんが、大まかに10列までは右肩上がりで線形に、10列から18列に向かって線形に下り坂となります。
次に、行(Row)の話をします。
各行は、ファミリーの様に特徴を共有すると上で書きました。
各行の特徴・テーマは以下の様になっています。
- 存在と誕生(Existence & Birth)=第1行(Janの理論ではHydrogenシリーズ)
- 分離・離別(Separation)=第2行(Carbonシリーズ)
- アイデンティティ・養育・世話(Identity, Nourishment & Care)=第3行(Siliciumシリーズ)
- セキュリティ・タスク(Security & Task)=第4行(Ferrumシリーズ)
- 創造性・パフォーマンス(Creativty & Performance)=第5行(Silverシリーズ)
- リーダーシップ・責任(Leadership & Responsibility)=第6行(Goldシリーズ)
- 手放す(Letting go)=第7行(Uraniumシリーズ)
この1~7のテーマは、一人の人間の誕生から死(あるいはその先)のプロセスを表しています。
各行の元素は、例えば第4行のKaliumとCalciumは、同じ様な特徴を共有しているということです。元素としての個々の特徴の違いは、列の特性によるということです。
しかし、KaliumとCalciumは隣同士ですので、その特徴は良く似ています。
そしてSankaranの理論によれば、1~3行のプロセスは、4~6行のような線形の山型の発達=>消失という過程とは違うということなのです。
まだ分かりにくいと思いますので、もう少し解説します。
第1行は、HydrogenとHeliumしかありません。しかも両端にあります。
これでは獲得・消失のプロセスは、見た目にも難しいですね。
Scholtenは、Hydrogenは1列から17列までの特徴を併せ持つと言っていますが、Sankaranは違うようで、あくまでも第1行第1列という独自のものとして記述しています。
第2行は、分離というテーマですが、これは出産プロセスに例えられています。
第1列のLithiumから出産プロセスが始まって、Nitrogenは産道の中、Oxygenは赤ちゃんが出てきた所、Fluorineはへその緒を切った所(分離の完了)。
このプロセスは、「母と一体」から「個として分離」というものですので、やはり発達・消失というプロセスとは異なります。
これが第4~6行になると、変わって来ます(という理論です)。
例えば第6行ではリーダーシップと責任というテーマですが、Caesium、Barium(Baryta)あたりでは、まだリーダーシップを発揮出来ず、責任も取れず、人に頼らなくてはなりません。
Bariumより右の方にあるレメディ(Tungsten、Osmiumなど)ほど、この「頼り無さ」が少なくなって行きます。
第10列のPlatinaは「頂上!」すごい自信、成功、“みんなオレに従え”・・・という状態。お姫様、王子様に例えられます。
第11列のAurumは、みなさんご存知「キング」です。ここは成功を獲得した喜びではなくて、元々ある成功をひたすら維持する状態です。そう、王国を統べる王様のような。
第12列はMercuryです。この列から、獲得して来たものが脅かされてきます。“敵に囲まれている”これがMercのフィーリングでしたね。
このように、第10列まで発達(成長)・獲得の階段を上がって行き、11列以降は、徐々に下り坂となるのです。
それから、第4、5、6行と進むにつれて、自分の身の安全から、他人も含めた責任へとテーマが大きく、重くなって行きます。
従って、それに伴いエゴも強くなり、また失敗した時(病気や状態)も、概してヘビーで長期化します。
マヤズムで言うと、よりSyphiliticになります。
ちなみに、第7行は、まだ情報が不十分という事で、Sankaranはあまり言及していません。
このフィールドでは、依然としてScholtenの理論が先導しています。

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