植物キングダム
“私”対環境(Me vs Environment)
植物のテーマは、Sensitivity & Reactivityです。
- Sensitivity=感受性、敏感さ、感じやすさ
- Reactivity=反応性、反応しやすさ
という意味です。
この2つがセットになっているという点に注意が必要です。
敏感で繊細なレメディは、他のキングダムにもたくさんあります。
どういうリアクションをするか?これが重要な観点なのです。
自然界における植物は、少数の例外を除いて、与えられた環境から自力では移動出来ません。
従って、植物のサバイバルは、「私 vs 環境(Me vs Environment)」という形になります。
根を生やした場所の光、水、温度、養分、害虫といった周囲の環境の変化を感じ、反応し、適応します。
この「私 vs 環境」が、感受性と反応性という形で表現され、感受性、変わりやすさ、適応性、反応性に関するものが植物の人のテーマ(センセーション)となります。
従って、植物レメディの人は、
- 周囲の事情、状況、環境
- 人々が何と言ったり、したりするか
- 温度や天気など
といった事に影響され、「何かが私に影響する」といった感じ方をします。
植物の人にとっては、因果関係、プロセス、関係性といったことが問題なのではなく、自分に影響して来る事象そのものが問題なのです。
誰かが何かを言って来た時、その誰かが問題なのではなく、言われた言葉が問題、言葉そのものにグッサリ傷つくのです。
子供がおもちゃで大きな音を出します。
子供やおもちゃが問題なのではなく、その音が「突き刺さる」、その音に「切り裂かれる様な」感じ方をします。
別途説明しますが、誰かの方を問題にするのは、動物キングダムの人です。
また、植物キングダムの人には、1つのセンセーションとその反対のものが突出して現れます。
一番、金太郎飴的なわけです。そして冒頭で触れた、「どう反応するかが重要」というのは、この部分です。
Sensitivity & Reactivityというのは、1つのセンセーションとその反対という風にも参照されます。
ケシのファミリー(Papavaraceae)のセンセーションは、「強烈な痛み、暴力や戦争、地獄の様な苦しみ」といった感覚です。
この感覚と対になるのは、
- 無感覚、昏睡、麻痺(Passive reaction)、または
- 憤激、痙攣、暴力(Active reaction)
このファミリーの中心的な感覚は「壮絶な痛み」であり、それに対する反応は痛みに対する「暴力的な反応」、あるいは「無感覚・麻痺」となります。
エネルギーが等しく、ベクトルが正反対(Equal & Opposite)です。
上記カッコ内のPassive reactionとは、センセーションに打ち負かされた状態。
Active reactionとは、センセーションを乗り越えよう、打ち勝とうとする状態です。
「反対」と言っても2種類あり、これらもまた、等しく反対の関係になりますね。
植物キングダムとマヤズム
植物キングダムにおいては、マヤズム(Miasm)が特に重要な要素となります。
他のキングダムよりもマヤズムとの関係が深いのが特徴です。
既に述べた様に、Sankaranは以下の10のマヤズムを定義しました。
- Acute(アキュート・急性)
- Typhoid(タイフォイド・チフス)
- Malaria(マラリア)
- Ringworm(リングワーム・白癬)
- Psora(ソーラ・乾癬)
- Sycosis(サイコーシス・淋病)
- Cancer(キャンサー・癌)
- Tubercular(テュバーキュラー・結核)
- Leprosy(レプロシー・ハンセン病)
- Syphilis(シフィリス・梅毒)
マヤズムとはセンセーションの「深さ」を示すものであると述べました。
マヤズムとヴァイタル・センセーションは表裏一体の関係にあり、マヤズムはセンセーション(What)を、どのように(How)体験するかを表します。
Sankaranの著書「Sankaran's Schema 2005 Edition」を参照しますと、マヤズムについてのチャートがあり、それから植物の各ファミリーのチャートが載っています。
各ファミリーのセンセーション、アクティヴ・リアクション(Active reaction)、パッシヴ・リアクション(Passive reaction)、コンペンセーション(Compensation)、そして各ファミリーに属するレメディがどのマヤズムに該当するかが記載されています。
各マヤズムの説明は別の所でしますが、まず、植物ではPsoraは該当するものがないとされています(例外はLycopodium)
基本的には、AcuteからSyphilisへ向かって、より深く、より悩ましく絶望的、より破壊的(Destructive)で、より固定的・恒常的になります。
とは言っても、Acuteの方が病気が軽い・・・ということでは必ずしもありません。
では、これらのマヤズムは、センセーションと表裏一体のものとして、どのように体験され、表現されるのでしょう?
ここでは、Cancerマヤズムを例に、簡略して説明します。
Cancerマヤズムの人は自分の体験について、
「置かれた状況や与えられたタスクは圧倒的で、自分の容量を超えている。ここで超人的な努力を発揮してコントロールしなければ、カオスが訪れる」
といった物事の捉え方、感じ方をします。
従って、大変なコントロール、抑圧がしばしば見られます。
ここで、Ranunculaceae(キンポウゲ科)を見てみましょう。
このファミリーは、植物の中でも特に敏感で繊細、感情的であり、イライラ、すぐ興奮、電気的ショック、ハラスメント、悲しみといった感じが、切られるような、刺されるような感じと共にセンセーションとして表現されます。
RanunculaceaeのセンセーションとCancerマヤズムが組み合わさると、
「イライラさせられる状況でも完全にコントロールを保たなければならない」
というヴァイタル・センセーションが想定されます。
ある患者さんは、こんな風に言うかも知れません。
「私は人に何か批判的な事を言われると、それがちょっとした注意や些細なことでも侮辱されたように感じて傷つき、イライラし、身をズタズタに切られるように感じます。あまりにも耐え難くて、無感覚に陥ってしまう時もあります。それでも常に自分を完全にコントロールして、何事もないように振舞おうとしています。そうしないと、とんでもなく感情を爆発させてしまいそうです。何度か、実際に押さえきれなくなってしまったことがあります。一度そうなると、もう何が何だか分からなくなってしまいます。」
ちなみにRanunculaceaeファミリーでCancerマヤズムに分類されているレメディは、Staphysagria(スタフィサグリア)です。
このレメディの様々な症状やKeynoteが、この中心的なセンセーションから派生して現れて来ているのが、実に明瞭に見えて来ます。
Sankaranは膨大な数のレメディとファミリーを研究して、それぞれのファミリーのレメディを、マヤズムごとに分類しました。
現在、鉱物や動物キングダムについても、マヤズムという面からの研究が進んでいるようですが、今の所、植物キングダムにおいて、その特徴が最も顕著に現れています。
植物ファミリーにおいては、それぞれのファミリーに共通するセンセーションが、マヤズムによって「深さ付け」されることによって、個別のレメディを判別する鍵となるのです。
「ファミリー(のセンセーション)+マヤズム=レメディ」となります。
上の例で言えば、「Ranunculaceae+Cancer=Staphysagria」ということですね。
但し、「イライラさせられる状況でも完全にコントロールを保たなければならない」という感覚を見つけただけで、Staphだー♪と判断するのは早計です。
その人のセンセーション・レベルにおける体験が、Ranunculaceaeのセンセーションと一致しなければなりません。
植物ファミリーについては、ただSchemaのチャートを見るだけでなく、Sankaranの著書「An Insight into Plants Volume 1 & 2」及び「An Insight into Plants Volume 3」を熟読して、理解を深める必要があります。

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